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古い話ですけれども

ねこママがハタチぐらいの時だから古い話になるけれど、ねこママが勤める会社に多数の新入社員が入ってきた。大卒・高卒の中に中卒の女の子たちも何人かいて、生産ラインに配属されていった。
その中にひときわ可愛いNちゃんという東京の子がいたが、まるでアイドル歌手のような容姿だったのですぐに人気者になった。

あまり可愛い子だったので、ある時ねこママは「芸能界に入った方がよかったんじゃないの」と言ったが、笑って「無理~!」と言うのだった。
それでなんとなく打ちとけてきて、初恋は中二のときで相手は1年上の先輩だったが、ある時女の子と仲良く歩いているところにばったりと遭遇して、泣きながら帰ったというような話をしてくれた。
その時は、「こんな可愛い子に見向きもしない男もいたんだなあ」と漠然と思っていた。

Nちゃんと同期入社のCちゃんという子がNちゃんと同じ中学出身で、一見仲良さそうだったので「中学でも同じクラスとかだったの?」と聞いた時のCちゃんの表情を、ねこママは今も覚えている。
片方の口の端を少しつり上げて、なんともいえない複雑な感情を込めた笑みを浮かべて静かに首を振るので、(何かあるな)とねこママは感じたが、それ以上は何も言わずに話を打ち切った。 <続く>

by nekotamamako323 | 2009-10-21 09:02 | なし