人気ブログランキング | 話題のタグを見る

文豪とは何だ

芥川龍之介、といえば文豪の一人に数えられている。
ねこママが個人的に印象に残っているのは「芋粥」なのだが、「藪の中」も問題提起を果たしているという意味で、なかなかにすごい小説だと思う。
この芥川龍之介は実は少年少女向けの探偵小説も書いていたのだが、ご存知だろうか。

確か二、三篇ほど読んだのだが、恐ろしくというか悲しくなるほどの駄作で、「これがあの芥川の書いた小説???」と、頭の中にはクエスチョンマークとエクスクラメーションマークがぎっしり。
「食うために書きたくもない(自分には合わない)稚拙な探偵小説を書かざるを得なかったの?」などと思ったものだが、文章もまことに稚拙で、いったい芥川龍之介という人物は本当に才能があったのだろうか???などと判断に苦しんだものだった。

が、某作家が芥川のことを「おそらく類い稀な頭脳の持ち主で、それに恥じぬ努力を惜しまなかった彼は、虚構を生み出す才能をまるで持たなかった」とばっさり切り捨て、「古典説話を脚色するか暗鬱に内向するほかに、ほとんど嘘をつくすべを知らなかった」とこきおろしているのを先ほど読んで、ねこママはようやく「腑に落ちた」ような気がしたんです。
いえ、ただそれだけのことなんですけどね。

人間、嘘をついたり大ぼらを吹いたりできる人間の方が、限りない何かをもっているような気がするなあ、とは思う。文才のある詐欺師が本を書いたらさぞや面白かろう。

by nekotamamako323 | 2012-01-21 17:08 | う~~~~む