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体験記について 2

三善英史氏の体験記を資源ゴミに出した、と書いて、自分でも自信なくなったので当時のことを思い起こしてみた。確かあれはねこママが何かで広告を見て、ばあちゃんも「読みたい」というので取り寄せたのだった。

三善氏といえば花街育ちの母親の元に私生児として生まれ、それを歌ったことで一時ブレークした歌手である。
ねこママはデビュー曲の
♬雨に〜濡れながら〜 たたず〜む人がいる♬
で始まる歌の方が好きだった。
自分の生い立ちを歌にして広めるというのは、誇りを売ってる感じがして、ねこママは好きではない。

とにかくその本を読んで感じたのは、三善氏が自らの手で母親の介護をしていたという点がまるっきり窺えないことであった。
介護に手を出さず見ている男性の文なのである。
介護の「体験」記と銘打ってはいるが、おそらくお姉さんが一手に引き受けていたのだろうと思う、そんな印象を受ける代物であった。

そのお姉さんが書いたというなら、まだ肉声が聞けるような本になっていたと思うが、介護の主力にもなっていない者が書いたって、絵空事の次にろくでもない。
ねこママの次に読み終わったばあちゃんは、不満げな表情で何も言わなかった。
人様に勧めるほどの本でもないので、「これ、持っていてもしょうがないね」と言うと、「捨てちゃえ」という返事が返ってきて、だから捨てた。

・・・といういきさつがあったのを、今つくづくと思い出している。



by nekotamamako323 | 2015-10-14 10:28 | きっぱり!