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苦い記憶

一夜にして
  白銀(しろがね)と化す 石垣に
    今朝も静かに ささめ雪降る

というのが、中学二年のときに作った短歌なのだが、これについては当時、かなり切歯扼腕したのを覚えている。

ねこママの中学では毎年3月になると、卒業文集を作って生徒全員に配布していた。
内容は3年生のサインや別れの言葉や自分の信条、それから各人の「思い出」と教師達の文、あとは在校生達のお別れの言葉や、各クラスから選出された生徒達の詩・俳句・短歌などである。
全校生徒が三百数十人しかいないので、在校生の分まで載せるのはそう難しくなかったみたい。ち〜とも知らんけど。

ねこママは中2の時には短歌を書くことになり、当時は冬期寮に入っていたので朝、部屋の窓からつらつらと見た情景を書いた。
それが上に記した短歌なのだが、なにしろ谷崎潤一郎の『細雪』を知っているのがどれだけいるか、という年代だったので、「ささめ雪」を「細雪」とするか「ささめ雪」とするかでずいぶん迷い、誰でも読めるようにと「ささめ雪」と書いて提出した。

文集が出来上がってねこママは愕然。

一夜にして
  白銀(しろがね)と化す 石垣に
    今朝も静かに ささめ雪




・・・「降る」はどこへ行ったとや!!!


今だったら編集担当者に文句を言いに行くところだが、そのときはそんな原始的な知恵なんて思い浮かびませんでしたのね。
頭にきたのでその文集はあっという間に紛失。(^^;

その後、3年生のときには「無言の岩」という詩を書いたが、同時に詩を書くことになった他のクラスからの選出者たちに頼まれて、彼女らの分まで書くことになってしまった。
文集が出来上がってみたら、自分が書いた詩が3編載っていて、しかもそのうち2つには自分のでない名前が載っている、というきまり悪さに耐えられず、これも後味の悪い文集になってしまって紛失。(^^;

ま、そんなことがなくってもねこママは紛失していたんでしょうけどね。😓
いろいろと、ちょこっと苦い思い出ではあるが、ふと思い出したので書いてみまちた。



by nekotamamako323 | 2016-08-03 12:05 | 俳句・短歌