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最後の友達

畑の手入れに行っていたじいさんが帰宅して、「Aさんのおじいちゃんが亡くなった」と言った。

カリフラワーを収穫して、しばらく会っていないAさんちへ届けに行ったら、娘さん(と言ってもねこママより数歳は年上だが)が出てきた。そこでカリフラワーを渡して『おじいちゃんは元気にしてるか』と聞いたら『12月の20日に亡くなった』と言ったそうだ。

ねこママびっくり。
もう3週間も前のことになるじゃないの!なんで今まで気がつかなかったんだろう。

Aさんのおじいちゃんはずいぶん前にあるボランティアの団体を立ち上げて、ずっと会長を歴任していた人である。ママ友のUさんがそこの事務局にいるのでメールしたら、
「1人でお風呂に入っちゃダメ、と家族に常々言われていたにも関わらず、誰もいないその日に入浴し、家族が夕方の5時頃に帰宅したら風呂の中で動かなくなっていたんだって」
という返事。
「家族葬ですませてお通夜もしなかったから、私も知るのが遅れて線香あげに行ったのが29日だよ。ねこママさんは近所だから、知っていると思って連絡しなかったんだ。ごめん!」

いやいやいや、近所といってもそれほど家が近いわけじゃないよ。それに、Aさんとこはお互いのじいちゃんばあちゃんが友達だったとはいえ、ばあちゃん同士が亡くなってからはあまり付き合いがない。
たまにじいさんが野菜を持って行き、たまにむこうのじいちゃんがひょっこりとやってくるという程度である。

しかし、うちのじいさんも畑に行っていたり医者に行っていたりで不在のことが多く、いつ帰ってくるかわからないので「Aさんがいらしたということ、伝えておきます」と言うしかないのである。
そうやって最後に会って帰っていただいたのが11月ごろだったろうか。足腰が弱り切って、歩くのもやっとこさの状態でうちへ来てくれたのに、じいさんがいないからと帰ってもらったことがひどく悔やまれた。気の毒なことをしてしまった。

Uさんが、「Aさんとこに行ったら男の人と女の人がいたけどだれ?」と言う。ねこママが知るかいな。その場にいたじゃあるまいし。
「娘さん夫婦でしょう。同居してるから」
「若い男の人と女のコだった。女のコは孫だって」
「じゃあ若い男はAさんの娘さんとその再婚相手との間に産まれたT君で、女のコは娘さんの最初の結婚で産まれた息子の子供でMちゃんだと思う。ややこし」
「若いと言っても40〜50歳くらい。私から見ると、その年でも若いんだけど。笑」

なんじゃそりゃ。若い男の人と言ったらせいぜい30代前半まででしょうよ、と思いつつ、「じゃあT君じゃなくてE君だ」と返事して、ねこママとてつもなくめんどくさくなってきた。なんたる不毛の会話。

え〜〜〜〜い!!!
どうでもええわい。


「町会で『偲ぶ会』をやってくれと言われているんだけど・・・難しいと思う」
難しいでしょうね、確かに。Aさんの団体はおもに学校関係のボラを長く努めてきているので、歴代の校長先生にも声をかけるのか?かけないのか?等々ありますよね。
でも、Uさんはそういうことを大変がりながらも結局はやっちゃう人だから心配するこたあないのです。いい人なんだ、この人。

しかし、最後に残った友達もこうしていなくなってしまい、じいさんの心のうちはどんなもんだろう・・・とそれが気にかかるねこママなのである。


by nekotamamako323 | 2017-01-10 14:52 | う~~~~む